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管理の合間に背後がのらりくらりしてる所です。
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2020/04/02 (Thu)
糖度を上げたつもりなのに、悲恋染みたのは何でだ。
戦争の所為か。そうか。

って訳で、
ラブラブ→悲恋(?) ってな感じになります。
戦争の話題も少しばかり出てくるので、許せる人のみどうぞ。

と言うか、何故 嘉凪はイッチー書き易いんだろうね?

あ、言い忘れた。WDのピアスの話です。
ちなみにイッチーの色(正確には深紅)=紅=暮れない=夕日 の単純な意味っす。




道場から竹刀のぶつかる鋭い音が聞こえてくる。


久臣と 伊知郎が 組手をしている音だ。


「二人ともー。そろそろ晩御飯の時間ですよー?」

道場の入り口から顔を覗かせ、暢気な声で呼びかけたのは綾乃。
その声に、小袖に袴姿で打ち合いをしていた二人は、向き合って構えていた竹刀を下ろした。

「綾ねえ、そんな時間か?」
「そんな時間よ。ほら、臣はちゃっちゃとお風呂入ってくる!」
「はいはい。 じゃあ、伊知にい、お先に」
「ああ」

嘉凪家の風呂の順番は決まっていて、
祖父であり当主である茂久が一番、次期当主で嫡男の久臣が二番、
そして客人である伊知郎が三番、それ以降に女性陣がその時々によって入る順番が違う。

だから、久臣は伊知郎と綾乃を置いて、先に母屋に帰ったのだ。
…まあ、理由はそれだけではないのだが。


最近は大分暖かくなってきたとは言え、日没前は少し肌寒い。
伊知郎に「はい、これ」と風邪を引かないように肩に羽織る為の羽織を手渡す。
そんな彼女の髪を、少し肌寒い春風が微かに揺らした。

「― 着けてくれているのだな」
「きゃっ!?」

ふと、伊知郎が綾乃の耳元の髪を少し払うと、それにびっくりした綾乃が首を竦め、
耳元のピアスが微かに音を鳴らした。
その様子を見た伊知郎が、ふ、と息を吐いて喉を鳴らして笑い始める。

「ひ、酷い、伊知郎っ。びっくりしただけなのにそんなに笑って」
「すまない。綾乃が耳元が弱いのを知らなくてな」

むーっとしてみせるが、綾乃を見下ろす伊知郎は相変らず楽しそうだ。

「……伊知郎、ちょっとちょっと」

こいこいと手招いて、高い位置にある伊知郎にかがんで耳を貸してとジェスチャーをすると、
笑い過ぎたので拗ねさせてしまったのかと苦笑した伊知郎が「何だ?」と背をかがめる。

と その頬にキスをすると直ぐに綾乃は、そのままくるりと髪とピアスを夜風に躍らせて
伊知郎から母屋の方へと数歩離れる。
そして伊知郎に向かってとても愛らしくにこっと微笑んだ。

「ピアスのお礼。 ― 素敵な贈り物、ありがとう」

夕焼けに燃えるような赤に染められた綾乃の赤茶の髪は、夕焼けよりも鮮やかで、
まるで錬鉄上の炎に解かされた鉄の様な輝きすら持っている。
綾乃のその真っ直ぐで綺麗な笑顔を向けるのは、彼女の最愛の人である伊知郎だけ。

その色の眩しさと、綾乃の笑顔に伊知郎は目を細めて穏やかに微笑むんで手を伸ばす。
背の高い伊知郎のその手は、容易く綾乃の腕を捕らえ、彼女を抱き上げた。
こうすると、彼女の耳元に光るピアスが夕日に照らされて、よく見える。

「よく似合っているよ。 綺麗だ」

自分が選んで贈った物が、こうして綾乃に似合っている事に伊知郎は嬉しくて、優しく微笑んだ。
その笑顔を抱き上げられた綾乃が見下ろして伊知郎の髪に指を差し込んで少し掻き乱しながら、
嬉しそうに楽しげにふふと声をあげて笑う。

赤い夕日が 彼の白い髪を 朱に染める。
それが  一瞬不吉なものに見えた。

だから愛しくて仕方がない人の髪に触れ、楽しげに笑っていた綾乃は、
ふとその表情を悲しげな笑顔に変えて、そっと伊知郎の顔を抱きしめた。

「好きよ、伊知郎。… だから、今度も生きて帰ろうね」

去年の暮れの戦争での重傷を思い出すと、今でも体が震える。
自分を喪った後のこの、愛しい人の悲しみを思うだけで、涙が零れそうになる。

もしそんな事になったら、 自分を忘れて幸せになって欲しいだなんて、カッコいい事言えない。
悲しんで 悲しんで 涙が枯れる位に泣いてほしいのに そんな彼が苦しむ姿なんて見たくない。

でも、彼を喪ったら綾乃も正気を保っていられるか、自信がない。
それほどに愛しているのだ。 自分を愛してくれる、この優しい人を。

だから 生き残らねば この愛しい人と 自分の大事な人 全員で

誰が欠けても、きっと壊れてしまうのだろう。この硝子の様な幸せと言うものは


その不安が伝わったのだろう。
綾乃を抱きしめていた伊知郎が、その腕の力を少しだけ強めた。

「当然だ。 今度こそ、君は俺が護る」

彼の力強くも、だけど優しすぎる言葉に、綾乃は泣きそうに微笑んだ。



                        功刀に綾乃分が足りませんって言われたので、
                        糖度上げてみた。…砂糖吐きそうだっつの。
                        お蔭で最後は微妙に悲恋っぽくなったぞ、おい。
                        フラグにならない事を本気で祈ってます。(汗)
                        
                        いくらレベルが高かろうが、正直、いつ誰が死ぬかなんて分からない。
                        でも、それが怖くても武器を取らずに戦わずにはいられない。
                        それが能力者の性なのか、戦士だからなのかは分かりませんが。

                        戦争、28日ですね。
                        全員の無事帰還って言うのが無理な話なのは分かっているので、

                        せめて せめて 綾乃を、久臣を、彩華を愛してくれる人
                        うちの子を見知ってくれている人
                        全員の無事を ただ お祈りしています。


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