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管理の合間に背後がのらりくらりしてる所です。
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2018/06/18 (Mon)
◆恒例になってきた注意書き。

1.これは前回の「竜舞」→「色重1」の続きの話です
2.この話に出てくる「嘉凪の一族」はあくまで嘉凪の脳内で作ったフィクション一族です。
  歴史とか民俗学、日本文学に詳しい人に言わせりゃ荒も多すぎて見れたもんじゃないと思います。
  なので、くれぐれもこの設定を参考にしないでくださいな。恥ずかしくて死ねます。





嘉凪:まさかの数年前に映画とかで流行った3話構成…!

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さあ、そこに大人しく座れ、駄背後。(※イグニッション済み)


嘉凪:ヒィっ!ご、ごめんなさい!だ、だってまさかここまで長くなるとか思ってなかった!

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言い訳ですね。


嘉凪:ぐっ…(痛恨の一撃) あ、明日中には続きアプするからそれで勘弁ー。(土下座)

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正座して書けよ?さあ、さっさと執筆活動に戻れ。


嘉凪:喜んで!(ダッシュ)




 ほんの少し時間を遡る。


舞を終えたばかりの舞手と奏者が戻ってきた拝殿では、今回の奉納守を務める伊知郎が3人を待っていた。しかも装いは普段の彼には珍しく、白小袖に葵袴の様相。神社の手伝いをしていたのと、これからの役目の為に禊を行なったからだった。

「大任ご苦労様。とても素晴らしいものだった」
「ん。ありがと」

 先程までの舞を舞っていた彼女はどこへやら。伊知郎の言葉に微笑を返す綾乃はいつも通りの彼女。なのだが、ふと伊知郎の穏やかな笑顔を見上げてそわそわとし始めた。

「…触りたいのに触れないってストレス溜まるー」

 現在の綾乃は奉納舞を終えたばかりで、その身には祓うべき穢れを溜め込んでいる状態。その為、奉納舞が完了すると使用した祭器を一族の墓である水脈近くの洞穴に奉納しに行った後に禊をして内に溜めた穢れを流す必要がある。なので、その禊が終るまでは穢れを移さない為にも安易に他の者に触れる事が出来ないのだ。

だが、今回の舞は綾乃にとって一年ぶりの舞。一年のブランクは三年間毎月舞っていて身体が覚えていたとは人物に緊張させるには十分過ぎたようだ。
人前ではあまり伊知郎に甘えない綾乃なのだが、今回は非常に緊張したので伊知郎に甘やかしてもらって緊張を解したかったらしいのだが……それも周囲の視線と自分の中に溜まった穢れがそれを許さない。綾乃のその気持ちを察したのか、伊知郎も困ったように苦笑する。

「私も我慢しているんだ。我慢してくれ」
「うー…狼変身とかでもダメかな?」

 余程触りたいらしく、綾乃が駄目と分かっていながらもささやかな打開策を口にするのだが ―

「駄目に決まってるだろ。狼でも伊知にいは伊知にいだ」
「駄目ですよ、綾乃様、功刀様。触れたいのでしたら、早く奉納してきてください」

 見事に後ろに控えていた久臣と彩華に却下されてしまった。

2人のやり取りに、それを見ていた久臣は呆れ交じりに溜息を吐く。姉と義兄が仲がいいのは喜ばしい事なのだが、この2人は本当に仲がよすぎて見ているこっちがたまに恥ずかしくなるほどだ。久臣を同じ事を感じたのか、彩華も苦笑しながらも舞で使用した日本刀を綾乃へと差し出す。

今からこの刀を奉納してくると言う大役が綾乃にはあるのだ。そして彼女を護る役目が伊知郎にはある。
本来であれば綾乃は既に護衛がいらないほどの強さがあるのだが、穢れを内に溜め込んでいる間はそうもいかない。身体の中にある穢れが徐々に体力を奪い、身体の自由を奪う。酷い時には走る事さえままならない程に疲弊させる時もあるのだ。そんな状態の者をゴーストが居る洞穴に放り込むワケにはいかないので、そのための護衛と言うわけだった。そんな護衛の者が穢れに犯され、万全ではない状態で舞手を護るなど本末転倒になってしまう。

義理の弟と、その影の大変至極最もな否定に苦笑しながら、伊知郎は拝殿から水源へ続く廊下へと綾乃を促す。

「2人の言うとおりだ。行こう、綾乃」
「はーい。それじゃあ行ってきます。2人とも、後を頼みます」
「はいはい。気をつけて」
「はい。お早いご帰還をお待ちしております」

 行ってきますと手を振る綾乃が伊知郎と拝殿を抜け、そのまま裏山に姿を消していくの様子を2人は見送る。どうやら山に入ってしばらくしてイグニッションするつもりのようだ。さすがにゴーストが出る場所に起動せずに入るほど2人も自信家ではない。

拝殿から境内が見渡せる廊下へと出る。

2人の帰還を迎えてやりたいのは山々なのだが、正月のこの日に久臣に休みはない。ただでさえ高齢で忙しい祖父の茂久の仕事を次期当主である自分が手伝わなければならないのだ。午前中一番山場だった舞は終ったので少し休憩の休憩を挟んだ後に本殿で祈祷の準備をしなければならなかったからだ。
頭の中で祈祷に必要な物の手配を考えながらも、先程見送った2人の背中を思い出して久臣が再び深いため息を吐いた。

「本当にあの2人は……見てるこっちの身になってくれよ」
「そう仰らず。綾乃様なりに気遣ってくださったのですから」
「いや、あれ完全に素で言ってたろ。 ― あ」

 何気なしに境内に視線を走らせた瞬間、久臣はつい声をあげていた。
そして彩華に何かを言う前に廊下の柵を器用に飛び越え、近くにあった庭石の上の草履の上に着地して草履を整えると境内の方へと歩き出す。突然の主の行動にきょとんと驚いた彩華が名を呼ぶと、呼ばれた当人は肩越しに振り返って「彩華も知った顔だろ?」と少し遠くにいる人物を顎で指した。

主の言葉に視線を走らせた彩華は、該当する人物を見つけて納得する。が、まさか忍びで彼の影である自分よりも先にその人物を見つけた久臣に感心する。どうやら主は当主であり祖父の茂久の能力をきちんと受け継いでいるようだ。

能力と言うほどではないのかもしれない。一種の特技とでも言うのだろうか。何故か嘉凪の当主達は、神社の境内や裏山に能力者が在る事が自然と分かってしまうらしいのだ。感覚的なものなので、それが発現しない当主も歴代にはいたらしいのだが、久臣も順当にその能力を手にしているらしい。
…と、ここまで思っておきながらも、彩華はフォア姉妹に気が着いていたが久臣はその様子はない。何か別の理由があるのだろうかと心の中で首を傾げる。
そんな彩華の感心を他所に、久臣は境内への歩を止めようとしない。

「悪い、ちょっと挨拶してくる」
「行ってらっしゃいませ」

 拝殿を急いで出て行った久臣の背中を見送っていた彩華が、ふと何かに気が着いて境内の外 ― 神社の丁度敷地の狭間にある銀杏の高い木を見上げた。その上部には ― 四人の『来訪者』が訪れていた。

緋色の鋼 朝貌の風 深淵の冬 舞楽の花

一般の者であれば気が着くはずもない、その四つの姿に彩華は最初は我が目を疑った。まさか来てくれてるなど綾乃や久臣ですら思わなかっただろう。

鋼は腕組みをして木の上に直立し、風はそれより低い枝で腰掛、冬は木に寄りかかり、花は木の陰に隠れている。その様子が本当に彼ららしくて彩華は表情を和らげた。きっと彼らの事だろう、自分がこうして見ている事も安易に気が着いているはずなのに、動こうとしないのは彼らなりの気遣いなのだろう。

だからこちらからも声をかける無粋なことはせずに、彼らに向かって静かに深く、長い一礼を捧げる。声はかけずとも主とその姉に代わって心から感謝をしている事だけは伝えたかった。

長く、深い礼を終えると、彩華は和らげていた表情を普段のそれに戻して再び拝殿の方角へと戻って行った。
それしか今の彼女には許されなかったのだ。本当は自ら招いてもてなしたかった。それをしたいと思う程には彼らは彼女の主である久臣や、その姉である綾乃とも交流が深い友人達。
しかしきっと古い家柄で来訪者の存在を初めて知り、その存在を理解できずに恐れている一族の者達へ配慮して、一族の者達が集る今日はああして距離を保ったまま舞を見に来てくれていたのだ。
その配慮を無駄に出来る訳がなかった。

ただ、今はいない綾乃と久臣に後で伝えれば、後の事は彼女達がするだろう。そう思って、奉納に向かった綾乃と伊知郎が戻ってくるのを拝殿で待つ事に決めたのだった。





「いぶきさん」

 人混みを避けて久臣は一人の少女の元まで急いでいた。人をかき分けずとも、白小袖に葵袴の少年が道を急いでいるので自然と人は彼を避けるように割れる。そしてその先には、彩華が見つけてくれた彼と綾乃の知り合いが立っていた。

「久臣」
「来ていたんですね。言ってくれれば席を用意したものを。 ― 人が多いから脇に避けましょうか」

 そう促して、人が比較的少ない方向へと促す。普段の境内に比べて今は正月と言うのもあり、人が非常に多いからだ。
移動する間にいぶきが舞を見に来た事、そして今はちょうど綾乃と久臣の祖父に挨拶をしようと探していたところだったそうだ。そう言えば拝殿に祖父の姿がなかった事を思い出したのだが、どこに行ったのかは皆目検討もつかなかった。

邪魔をしてはいけないと帰ろうとするいぶきに、祖父を見つける間の休憩の口実になって欲しいと久臣が笑いながら申し出る。事実、日付が変わる前の大晦日から、久臣はまともに休憩をとらずに一日中走り回っている状態だったのだ。

軽い談笑をしながらも境内に視線を走らせていた久臣が、誰かを見送る祖父の姿を確認する。
そして隣に立っているいぶきに祖父の特徴を簡単に説明して注意を促す。

「あそこにいるのが、祖父の茂久です。」
「そうか、それでは余はご挨拶に参ろう。邪魔をしてすまなかったな、久臣」
「邪魔なんてとんでもない、見に来てもらえて嬉しかったですよ。ありがとうございます。
 きちんと綾ねえにも伝えますから」

 本当に邪魔などそんな事はない。ただでさえ忙しい最中に、一族の者達から次期当主の久臣の挙動は一つ一つ監視されているに近い状態だった。
そんな中に普段の自分を知ってくれているいぶきが来てくれたのだ。しかも彼女の大らかで肩を張らない自然体な、けれど礼節を損なわない性格は久臣も好ましく思っているので余計に気分が休まったのだ。これを感謝せずにいられようか。
礼に笑顔を沿えた久臣に、いぶきも表情を和らげる。

別れの挨拶をして、久臣は拝殿へいぶきは茂久の方へと歩き出す。けれどそのいぶきの後姿に再び声がかけられた。振り返ってみれば、そこにはニコリと微笑む久臣がいた。

「姉上ほどではないですけど、次回は俺が舞うんでよければぜひ見に来てください」

 それだけを告げると軽く手を振って再び背を向けて歩き出す。そう言えば、いぶきさんと初めて会った時は顔を少し上げなければ合わなかった目線の差も、今ではそこまででもなくなってたな、などと思いながら。





                   と言うわけで、今回はお預かりした5人を。イッチー入れたら6か。
                   あとお1人だけだったのだけれども、貴也と彩華の喧嘩の後は無理だった…!
                   なので泣く泣く3話構成に。や、綾ちゃん本当にごめんよ。
                   
                   そんな訳でお借りしたまず4人の
                   鋼誠くん、姫香ちゃん、薫くん、曜子ちゃんの蛍月ファミリー。
                   ちょ、なんで木の上!や、安易に想像できた儂も儂だが。
                   ここのファミリーにはウチの子3人も非常にお世話になっとりますわ。(深々
                   こちらも台詞なし指定できたのでこんな感じでいかがでしょ?
                   
                   そして今回5人目のいぶき嬢。
                   久臣を気に入ってくださってるので、久臣に見つけてもらいますた。(いい笑顔
                   いぶき嬢が結社に入った頃は久臣も160代だったんですが、今ではすっかり
                   170真ん中くらいです。あれから10センチくらい伸びてるかと。
                   でもまだ5・6センチ差がある…!ちょ、久臣180まで頑張れよお前…!
                   
                   イッチーは割愛。借りますた。そしてまだ借ります。
                   綾乃が珍しく人前でデレたのでそれで許してちょ。(笑
                   
                   
                   そして次は3話目だよ!今度こそ終らせるよ!綾ちゃんも出すよ!

                   次回は「彩華と貴也のガチ影戦線」「癒し系登場」の2本立てだYO!

                   

                   そしてお借りした親御さん方、「こんなのウチの子じゃねぇよ!」って意見は
                   遠慮なくどぞう。(ひれ伏し

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執筆お疲れ様です

結構な量ですね、結社運営なども忙しい中お疲れ様です。

いぶきはエスコートされて予想外でした、なんと嬉しい誤算。
久臣くんは本当に紳士ですねー、いい男です。
描写の端々ににやにやするものを感じつつ、楽しく読ませてもらいました。
いぶきは問題ないっす。「私→余」位ですね。
というかむしろもう少しこちらも書くべきでした。
またの機会があるならもう少しわかりやすいのを用意しますね(笑)
いぶきの背後さん / 2011/01/10(Mon) / 編集

いえいえー。こちらこそ連絡が遅くなって…(汗

そして実はまだ終わりでないこのSS。
…ってもうSSって長さじゃねっすね。(汗
書き終わったらサイトの方に移しときます。

そして書いておきながら連絡してなくってごめんなさい…!(土下座)
儂が盛大に一人称間違えましたが、いぶき嬢なかなか書きやすかったですよ?
本当にありがとうございましたです。

そして久臣はこれからますます男に磨きをかけてもらおうかと思ってます…!
そっちも頑張らせます!まずは身長!(笑
嘉凪さん / 2011/01/13(Thu) / 編集
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