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管理の合間に背後がのらりくらりしてる所です。
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2024/04/16 (Tue)
◆恒例になってきた注意書き。

1.これは前回の「竜舞」の続きの話です
2.この話に出てくる「嘉凪の一族」はあくまで嘉凪の脳内で作ったフィクション一族です。
  歴史とか民俗学、日本文学に詳しい人に言わせりゃ荒も多すぎて見れたもんじゃないと思います。
  なので、くれぐれもこの設定を参考にしないでくださいな。恥ずかしくて死ねます。



嘉凪:ふふふ、タイトルで分かると思うけど、予定だった1話が長さの所為で2話になっちったYO!
 …2話ですむかもちと儂不安。(汗)

b65487_icon_12.jpg
無計画お疲れ様。なんでそうなったのよ。


嘉凪:罵倒サンクス。
 儂、会話文を全部書き出してから行間肉付けするから。 ほら今回の会話量の少なさ見て!

b67229_icon_9.jpg
言い訳はいいから土下座して謝罪しろ、愚背後。


嘉凪:笑顔で言うな!でも正論だから謝る。 すんません。(土下座)



と言う事で今回は(たぶん)2話構成だよ!
2話目は今書いてるから3連休中には!





「今日の舞手は綾乃ちゃんかい? また見れるとは今年もいい事ありそうだな」
「今回だけじゃよ。それにあまりそう言うてやると久臣の立つ瀬がなかろうて」
「あ、そうか。悪い悪い」

 舞が終わり、舞手と奏者が拝殿に引いた後、綾乃と久臣の祖父である茂久は境内に赴いていた。
舞を拝殿から見ていたのだが、その中に気になる人物が何名かいたので、その人物達を探しに来たのだが、当の目的を見つける前に下町の古い付き合いの者達に声をかけられてしまっていたのだ。
彼らも嫌いではないのだが、さてどうやって話を切り上げようかと思っていた最中、一人の青年が茂久に近寄ってきた。

「当主、久臣様か綾乃様は?」
「おお、貴也。久しいではないか」

 貴也(たかや)と呼ばれた青年は、茂久に向かって静かに頭を下げる。彼は綾乃が次期当主の座にいた時の影 ― 嘉凪の家に風習として残る当主の秘書の様な存在で、久臣で言えば彩華にあたる存在 ― だった少年だ。上げた顔は穏やかな笑顔を貼り付けたままなのだが、その笑顔は営業スマイルと呼ぶに相応しいほど表面上だけのもの。
その癖は綾乃の影の時から変わっていないものと、茂久は心の中で苦笑した。

「はい。流石に正月に顔を出さぬのでは恥知らずと罵られてしまいますので、戻ってまいりました。」
「そうか。今年から銀誓館じゃったな?」
「僭越ながら。とは言え、殆ど一族の末流を巡る全国行脚です。学園には大して顔を出しませんよ」
「それも学生としてはどうかと思うのじゃがな……。まあよい、それで綾乃と久臣じゃったな?何かあったのか?」

 現在綾乃は、今回の奉納守である伊知郎と一緒に水源近くの一族の墓へと向かう筈なので、時間的に目通りは無理だろう。久臣も本殿で着替えをして、そろそろ次の祈祷の準備をしているだろう。かく言う茂久もその準備があるのであまりゆっくりはしていられないのだが、2人よりは時間がある。対処が出来るものであれば、時間のある自分がするのが妥当だろうと、話を促した。

「いえ、綾乃様の知人が来ていらっしゃったのでお教えしようかと思った次第です。」
「知人?」
「はい。彩華から聞いた情報では、トンユエの姓を持つ姉妹のようでした」

 トンユエ姉妹。その名前を聞いて茂久は一人の女性を思い出す。姉の方は綾乃が離れで運営を行っている結社に何度か足を運んでいる姿を見かけた事があるので、うっすらと顔は覚えているが妹がいたとは初耳だった。
綾乃に言わせてみれば、優しい上品なお姉さんと言う事だ。久臣からも似た様な意見を聞いた事もあったが、何よりも茂久自身が見た少女自体がそんな印象を受けたのも事実。

「ふむ、儂が見つけた客人ではなさそうじゃな」
「当主も別に?」
「そうじゃ。……黒須、綾乃は今から奉納に行く。事の次第は久臣に話しておけばよかろう。」

 そう言いながらも、茂久の足はとある方向へ歩み出し始めていた。その様子を見て、貴也が首を傾げる。
正月の日で宮司の茂久は休憩が取れない程に忙しい筈だというのに、足が向いた先は本殿とは逆の神社の出口へと向かっているのだ。

「当主、どこへ」
「孫の客人をもてなさねば、後で何を言われるか分かったものではないからの」

 それだけを告げると、茂久は人ごみの中に消えてしまった。その後姿を見送った貴也は、相変らず食えない方だと感想を抱いた上で、彼とは逆に拝殿の方へと去っていった。




「確か、貴殿は以前そこの離れに来ておった方ではないか?」

 目的の人物を見つけた茂久が、相手を極力驚かせないように声をかける。
その声に振り返ったのは、短い黒髪の一人の少女。声をかけられた彼女は、茂久が声を掛ける前からそれが分かっていたように落ち着いた様子で足を止めて茂久を振り返った。

「あなたは ―」

 老いているとは言え背筋を正し、孫の久臣と大して変わらない身長の老人を見上げる目の色は深い藍色。これは孫娘が散々美人だと言っていた事も頷ける。

「やはり志方殿か。綾乃からも話は聞いておる。雪と華が似合う、美しいお嬢さんだと。
 ……ああ、失礼した。あれの祖父の茂久じゃ。」

 穏やかに微笑む茂久の表情は、確かに言われて見れば彼の孫である綾乃や久臣を彷彿とさせる柔らかい表情。
微笑む前は今年77歳とは到底見えない静かな、どちらかと言えば久臣に厳格で威厳を加えたような印象だったのだが、微笑んだ途端にその雰囲気は和らいだ。

「綾乃には会わずに帰るのか? 貴殿が来ていて舞を見てくれたと聞けば喜ぶじゃろうに」

 彼女の話は綾乃は非常に楽しそうに、嬉しそうに話をする。余程彼女を好んでいるらしく、婚約者の伊知郎が茂久に「彼女が男性であれば自分の立場は危うかったかもしれない」と苦笑を交えて話すくらいには。

けれど茂久の言葉に、雪子は緩く被りを横に振った。どうやら会わずに帰る心算のようだ。

帰るつもりの者を引き止めても悪いだろうと、「そうか」と返事だけ返す。確かに会う事になっても、今の綾乃は奉納に行かなければならないので会えるとしても1時間ほど待たせてしまうだろう。人が多く、家の者も皆慌しい中で彼女を引きとめても困らせてしまうだけだった。

一つ所作の綺麗な礼をしてその場を後にした雪子が、短く茂久に呼びかける。そしてちょうど神社の鳥居の影で一言だけ、静かだけれども人々の喧騒にかき消されない言葉を紡ぐ。

「私は舞、好きですよ」

 たった一言。しかも正月で人が多い境内の中でも、きちんと茂久の耳に届いた言葉。
嘉凪の家は呪言士の家系でもあった家柄だ。言葉に込められた気持ちが周囲の喧騒よりも、遥かに気持ちが込められた言葉だったのだろう。

彼女の言葉をしっかりと受け取った茂久は、穏やかな笑みだけを彼女に返す。

― 私は舞(彼女が)、好きですよ ―

茂久にはしっかりと響いた言葉。
その言葉を孫に伝えた時の表情が安易に想像出来て、再び背を向けて神社を後にする少女を笑顔で見送った。



                            ガッデム!終らなかったYO!(土下座)
                            と言うワケで、今回はお預かりした内の3名、
                            フォアさんトコのお嬢さん2人と、雪子嬢です。
                            
                            フォアさんと妹のニャオちゃんは台詞なし指定できたんで、
                            貴也に目撃してもらいますた。
                            とは言え、たぶん綾乃も気が着いてると思うっす。
                            この姉妹は姉さん美人で妹可愛い(※妹さんは面識ねぇが・汗)
                            の素敵姉妹なのであんな感じの描写に。
                            
                            そして綾乃がイッチーともしかしたら同列くらいにラブい雪子嬢
                            ちょ、手紙もらった時に「雪子嬢本気で男前やー!」って思った。
                            出すの遅くなって本気で申し訳なく。(土下座)
                            そしてイッチーの発言は本気で功刀から聞いたから使ってみた(笑)
                            
                            次こそはあとお預かりしてる6人出すぞ!

                            あ、あと、「こんなのウチの子じゃねぇよ!」って意見があれば遠慮なく。

                            

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