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管理の合間に背後がのらりくらりしてる所です。
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2018/07/20 (Fri)
※澄律(ちょうりつ と読む ※調律とも、澄んだ音色(律)とも言う。その辺は読み手の感覚でどぞう)

◆一応、恒例の注意書き。

1.これは<前略>→「澄律2」の続きの話です。
※分類:『竜神衛士の一族、嘉凪家の話』がそれに該当。

2.この話に出てくる「嘉凪の一族」はあくまで嘉凪の脳内で作ったフィクション一族です。
  歴史とか民俗学、日本文学に詳しい人に言わせりゃ荒も多すぎて見れたもんじゃないと思います。
  なので、くれぐれもこの設定を参考にしないでくださいな。恥ずかしくて死ねます。









※前回の最後の部分

 

「何もいきなり見ず知らずの来訪者を受け入れろとは言ってない。全くの未知を受け入れるのは、誰にだってかなりの勇気がいる。

けれど…なんで俺達が出会って、交友を深めた者達まで本人に会わずに否定するんだ。何故彼らの血族ばかりを気にして、彼らの本質を見ない!
…そんなに俺達や彼らが信用ならないのか」

 哀しいのだ。
自分を取り巻く能力者が、来訪者が、どれだけ優しく、暖かい人たちばかりだから。

会う事も、見る事もせず、ただ風評だけで恐れ、拒む。

噂が恐ろしいものであればあるほど、それも仕方がないかもしれない。けれど、そんな彼らが本当はどんな人柄で、どんな事に涙して、どんな事に怒りを覚えるか。それを知っている自分達がいて、それを伝える事が出来るのに、……彼らは自分達のその言葉すら聞こうとしない。

久臣の言葉に静まり返った部屋に、先程の男が言葉を発して静寂を打ち破った。




---------------------------------------------





「久臣様や綾乃様はお若い。お二人に人を見る目がないとは言いませんが、相手は来訪者、騙されていないとは ―」

 騙される その言葉に視界が赤く染まる。

「口を慎め!会った事もない貴殿が何を証拠にそんな言葉を口にする!」

 ビリっと本堂の空気が震えた。先程までの言葉よりも更に強い言葉が場を支配する。

久臣はそんなに大きな声を出した訳ではなかった。けれど、大きな声を出した時と同じように空気が震えて、圧が周囲を支配する。それ程に久臣の言葉には力があった。

友人を、信をおける人々を悪く言うな。彼らの何を知っている。
言葉にこそしなかったが、彼の言いたい事が言外の空気がそれを全て物語っていた。

けれど久臣が激怒した事で相手もそれに煽られたのか、一瞬久臣の視線に怯んだ男だったが、その感情を露にした。

「ですが、騙されていない証拠などありませぬではないですか!来訪者と言われる者は妖かしの術を使用しているやもしれませぬ」

「貴殿は俺が惑わされているとでも言うのか!そちらこそ確証のない疑心暗鬼で俺の友人達を悪し様に言うのは止めてもらいたい!」

 自分達と違い、能力者でない彼らは来訪者がどのようなものかと言うのを正確には把握していない。だからこそ恐れ、心にもない事を口にするのだろう。

世界結界の都合上、久臣達も来訪者の性質を詳しく一族に伝える訳にはいかなかった。
彼らの存在を一般人である一族に口にした時点で綻びが生じそうなものなのだが、何故かこの本殿から外に出ると、彼らは来訪者と言う存在を忘れてしまう。綾乃の伴侶になる予定の伊知郎の事も、特殊な能力者としての認識に収まるようだ。

閑話休題
つまりは、来訪者の話が出来るのは本殿の中のみであり、来訪者について彼らに説明をするにも色々と難があり、叶わない状態となっているのだ。


 今にも膝を浮かせて立ち上がりそうな久臣の様子に、彼を嗜めるように静かな声が後ろから彼を制した。

「主、落ち着いてください。私も彼らの心ない言葉に憤りを覚えますが、次期当主のあなたが苛立っては皆を畏縮させてしまいます。今は、お静まりください」

 久臣の影である彩華の内に抱える感情とは裏腹に静かな声が、久臣の感情を落ち着かせる。
……彩華の言うとおりだ。一族の中でも権威がある自分が怒鳴り散らしては、いくら年下とは言え、一族の者は滅多な事では口を開かなくなってしまう。そんなのは、ただの圧制。久臣の望む当主の像ではない。

先程、久臣に噛み付いてきた者がいい例だ。
若輩者の激情に年配者である彼は感情が流された。一族の次期当主とは言え、久臣はまだ年端がいかない少年だ。そんな自分の子供のような歳の者に怒鳴られれば、怒るか呆れて黙り込むのどちらかだろう。

ふーっと長い溜息を吐いて、浮かしかけていた腰を再び座に戻す。

危うく怒りに囚われて、今日の本題を忘れる所だった。と、久臣が視線を向けた先には、自分を見て、普段の姉の笑顔ではなく、嘉凪の一族に相応しい当たり障りのない笑顔を浮かべた綾乃の姿。

「久臣、私の分まで怒ってくれてありがとう。ですが、今は落ち着いて?」

 ニコリと静かに微笑む様子を見て、久臣は改めて頭に登っていた熱が冷めた。姉は……友人達の前ではあんな笑い方はしないからだ。
あんな仮面を貼り付けたような笑みなどは、一族の者達の前だけだ。あんな……両親を喪ったばかりの、無理をしたような笑顔なんて。

「…悪い。声を荒らげた事は謝罪する。だが、俺の友人達への暴言は許す気はない」

 彩華や綾乃に窘められて、頭の熱は下がった。だが、許せないものは許せない。
先程まで炎の様に憤っていた久臣の纏う空気が、一瞬にして水底の様に冷えた。どうやら、それだけは誰にも譲らないと言う事だろう。

主の。いや、嘉凪の当主が代々受け継ぐ二属性と言われる性格の起伏に、彩華は苦く、薄く表情を曇らせた。

「久臣様」

 彩華の言葉にも、久臣は声を返さなかった。それは断固とした拒否。
彼女とて、彼の友人達は知っているし、自身にも来訪者の知り合いなどそれこそ沢山いる。そして、彼や彼女達がまるで宝石の様に美しい性質を持っていることも。なので久臣の怒りも分かるのだが、ここで袂を分かってしまえば話が先に進まない。

どうしたものかと彩華が視線を巡らせようとすると、その視線を掬う様に綾乃が言葉を発した。




                    と言うワケで第3回。予定ではあと2回かな。

                    残り1回が姉弟無双で前回と似たように参加形式の前振りになる予定の
                    導入部分に入る予定。(予定ばっかだ                   
                    
                    んで、残り1回が久臣と爺ちゃんでちょっと小話して終ろうかと。
                    
                    …うむ、まだまだ残ってるブツが多すぎて消化しなければな。





                    

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