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管理の合間に背後がのらりくらりしてる所です。
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2018/12/12 (Wed)
イッチーとラブラブなSS…より若干長い。
そしてあまり深い意味はない。派生は功刀との会話にて。



 二人で出先から帰宅し、部屋でくつろいでいたある土曜日の昼下がり。
綾乃がペタペタと膝立ちで移動してくると、そのままラグの上で胡座をかいて本を読んでいた伊知郎の膝の上にちょこんと座り込む。

「伊知郎ー絡まっちゃったから取ってー」
「分かった。じっとしていてくれ」

 左半分の髪を手でかきあげてみせれば、見事に服とネックレスのチェーンが絡まっていた。どうやら運悪くチェーンの鎖が緩んでいたらしい。硝子と銀が螺旋を描く凝ったチェーンに、服の繊維が連なってしまっていた。
だが、それ以上に目を引くものがある。

「これは……」

 見覚えのあるチェーンに伊知郎が顔を覗き込むと、綾乃は嬉しそうに微笑んだ。

「そ。去年の誕生日に伊知郎にもらったやつ。お気に入りだから、ついよく使っちゃって」
「そうか」

 返されたのは簡単な言葉だったのだが、それでもその声には微かな喜びが穏やかに滲んでいた。あの時はまだ、伊知郎が綾乃に想いを告げる以前。彼にとっては初めて女性に贈り物を贈ることに、一週間も前から随分と悩んだものだ。
だが、それを綾乃は気に入って今も使っている。伊知郎にとってはそれが嬉しくて仕方なかった。

 服の糸を切ってしまわないように丁寧に扱っていると、指が自然と首筋をなぞる。その感覚に綾乃は首をすくめてしまった。

「…………くすぐったい」

 くすぐったくって落ち着かないのか、モジモジとする様子に自然と笑みは零れた。綾乃は首元が弱くて、触られるとくすぐったいそうだ。なので普段は長い髪を下ろして、風が撫ぜたり人に触れられるのを拒んでいるのだ。
自分が笑っているのを悟られるといじけてしまうので、わざと話題を反らす。

「綾乃、髪を上げるか纏めて持っていてくれないか。絡まってしまう」
「はーい」

 返事と共に髪を緩く持ち上げ、手にしていた髪を挟むタイプの簪で器用に髪が結われていく様に、伊知郎は知らずに手を止めて魅入っていた。赤茶の綺麗な髪が流れるように結い上げられ、白い項が露わになった。その仕草は何となく艶やかで、色気を伺わせる。

「……伊知郎、まだー?」

 名前を呼ばれて手が止まっていた事に気が着く。何故だか見てはいけないものを見た気がして、伊知郎は照れ臭いのを隠すために僅かに眉間に皺を寄せた。

「もう取れる」

 程なく服に絡まっていたネックレスが静かに外れて、綾乃の手に吸い込まれるように落ち始めた。

「あ、取れ ― ふきゃっ!?」

 シャラと音を立てて、ネックレスが綾乃の小さな悲鳴と共に床に落ちる。
静かな水面に水滴が零れた程に小さな音が響く頃には、伊知郎も綾乃の首筋から唇を離した。

「いいいいい伊知郎!?」

 キスされた項を両手で抑えながらも、顔を真っ赤にしながら慌てて振り返りながら数歩下がる。その様子が大層可笑しかったのだたろう、ふっと喉から息を零した伊知郎がくっくと楽しそうに喉を鳴らして笑い始めた。

「なっ! わ、笑うことないじゃない!」
「すまない。だが、あまりに反応が可愛くてな」

 余程リアクションが笑いのツボに入ったのだろう、咎められても笑い声が治まる様子はない。あまりにも楽しそうに笑うので、焦りや怒り、照れ臭さを全て超えてしまった綾乃はぷーいと顔を反らして拗ねてしまった。

「だ、だって急にキスされるなんて普通思いません!」
「いや、あまりに綺麗だったのでな。これでも我慢した方だが?」

 やっと笑いを鎮めたと思ったら、今度は我慢した事が彼なりの精一杯の努力だと言わんばかりにわずかに誇らしげにさえ言い放つ。傍から聞けば惚気以外の何物でもなく、あまりにも真顔で普通に綺麗だと、キスがしたくなるほどだったと言われて、頬の赤さは更に増した気さえする。

「な…………ああもう、しれっとそう言うこと言う……」

 赤くなった頬を冷まそうと手で顔を仰ぐ。もう、どうしてこう言う事をすんなりと彼は言ってしまえるのだろう。その度にこちらの動機は高鳴るばかりだというのに。照れてしまった様子に、ふと苦笑が返される。

「去年はしたくても、出来るような関係ではなかったからな。」

 ちょうど綾乃にそのネックレスが贈られた頃、二人は恋人と呼ぶ関係ですらなかったので、伊知郎がこうして触れる事は叶わなかった。

「だが、今は違う。 驚かせた事は謝るが、俺に触れられるのは嫌か? ― 綾乃」

 以前とは違う関係。けれど、それも今はいい思い出だと言う様に、伊知郎が柔らかく綾乃の名前を呼んだ。
穏やかな、けれど逆らい難い静かに愛しい者を呼ぶ声。自分がなんて答えるのかも分かりきっていると言わんばかりの自信に溢れた言葉。

拗ねてしまった自分のご機嫌を取ろうとしているのと、純粋に自分に触れたいのだと言う様子がその声色だけで伝わる。その差し伸べられた手と、微かに微笑んだ笑顔を拒めるはずもなく、綾乃は仕方ないなぁと言うように目を細めて微笑む。

「嫌なワケないよ。 でも、次に首やったらお預けね」

 一つ、嬉しそうに微笑むと彼の手を取ってそのまま胸に抱きつく。この腕を、胸を愛しいと思うのは自分だって同じ。そう、一年前に望まれたのは自分。けれども確かにあの時、自分も伊知郎を望んだ。

伊知郎の胸に寄りかかりながらクスクスと笑いだした綾乃の声に、伊知郎も楽しげに声を漏らして笑いだした。



             バカッポー。功刀とイベシナの話してた時の副産物。

             功刀:「綾乃ちゃんのうなじってレアですよね?伊知郎なら確実に一度は噛みつきます」
             嘉凪:「噛むな」
             功刀:「本気で噛みませんよ?甘噛みです。もしくはキス。舐めてもいいですけど」
             嘉凪:「なにその煩悩剥きだし。むしろエロ剥きだし」
             功刀:「失礼な。伊知郎の本能です」

             クリスマスに中てられたんだと思う。つか、お互い疲れてたんだと思う(汗


 

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